「共謀罪」の立法化に反対します 生活クラブ生協連合会が声明を発表

共謀罪の立法化のための法律改定案が5月23日に衆議院本会議で可決されました。 生活クラブ連合会は、 同法の可決成立に反対する立場から声明を発表します。

共謀罪の立法化に反対する声明

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
2017年5月23日

政府批判の言説が封じられ、 罪なき多くの市民が弾圧された戦前の治安維持法の再来と警戒され、 国会で過去に三度も廃案となった「共謀罪」の立法化をめざす動きが再燃しました。 「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が国会へ上程され、 審議が尽くされないまま5月23日に衆議院本会議で可決されました。 政府は、 この第193回国会での成立をめざしています。

今回の法改定でめざされているのは、 「共謀罪」の立法化です。 「共謀」とは、 犯行の計画・準備のさらに前の段階で、 複数の人間が犯行の意思を相談・確認する会話・通信などの行為のことです。 現在の法律では、 実際の犯行まで個人を処罰できないのが原則ですが、 例外的に一部の重大犯罪(殺人や国の統治を揺るがす諸犯罪など)については、 テロ準備行為も含め、 計画・準備行為の段階で処罰できます。 これが今回の法改定によって、 計画・準備のさらに前段階での共謀について、 捜査・取り締まりの対象にでき、 処罰できるようになります。 しかも、 一部の重大犯罪に限らず、 テロとは関係のない懲役4年以上の一般犯罪(法案では277種類)へと対象を広げます。 上記のとおりテロ準備行為は既存の法律で取り締まり可能であり、 この法律案でテロ準備に関する新たな罪状が新設されるわけではありません。

ところが、 政府とマスメディアの一部は、 この法案の呼称を「テロ準備罪」・「テロ等準備罪」の立法化だと説明し、 世論の誘導を図っています。 「テロ準備罪」・「テロ等準備罪」との呼称を用いた世論調査では、 法改定への賛成が反対を上回る結果となっていますが、 「共謀罪」という言葉を明示した世論調査では、 賛否が拮抗する結果となっています。 また、 政府は、 共謀罪適用の対象は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」に限るので、 一般市民が対象となる可能性はないと説明しています。 しかし、 法案では「組織的犯罪集団」の明確な定義は示されておらず、 判断の裁量が捜査機関に委ねられるため、 さまざまな冤罪の温床となる恐れが否めません。 すでに国民の知らないところで通信や携帯端末の位置情報などの監視・傍受などが広く行なわれているとしたら、 今回の立法化はそれを容認することとなり、 そこに拡大解釈による集団認定が加われば、 一般の企業・労働組合・各種団体などが監視・捜査の対象とされてしまう恐れが否めません。 生協など、 多様な市民が集う協同組合組織およびその組合員(構成員)のコミュニケーションもその例外ではありません。

憂慮の一例を挙げます。
2014年、 イスラエルとパレスチナ軍事組織の双方が無差別軍事攻撃を続け、 戦場となったパレスチナのガザ地区は壊滅的破壊に遭い、 住民の死傷者は1万人を超え、 人口の15%にあたる約28万人が避難民となりました。 生活クラブ連合会は、 人道的立場から現地の市民団体をつうじて食料など100万円相当の緊急支援物資をガザ地区の住民へ届けることを理事会で決定し、 実施しました。 もし当時、 共謀罪が成立しており、 「支援金・物資の一部が現地のテロ組織に流される恐れは排除できない」と捜査機関が判断すれば、 理事会決定以前の検討段階で、 当生協ならびに組合員が監視・捜査対象にされてしまうことは論理的に否定し得ません。

私たちは、 そのような一億総監視社会化を望みません。 上記の憂慮を排除し得ない「共謀罪」の立法化に反対します。

以上

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